子どもの絵

文:前田綾子

 子どもが描く絵の意味をずっと考えてきた。今年の冬、ひょんなことから大型積み木を倉庫にかたづけて以来、子ども達はやたらと絵をたくさん描く。「あー、紙を買わなくちゃ。マジックも・・・。」と頭の片隅で思いながら、あの子ども達の大好きな大型積み木の存在は何だったのだろうか・・・?と思ってしまう。あの積み木は子ども達の夢であり、自己実現の第一手段、大好きな汽車やおうちや船や飛行機や、何でも作れる魔法の積み木。それがなくなったとたんに絵を描き始めた。

 斎藤公子はいう。「絵を描かなくちゃ死んじゃう。というくらい子ども達は絵を描きたがる。戦中や戦後すぐの子ども達の絵を描く紙を確保するためにどんなに苦労したか・・・。」子どもが生きているということは、絵を描くということ。子どもの絵で保育実践報告をする。子どもの絵をどう見るか?たくさん描く子もいる。全然描かない子もいる。絵を描かない子は生きていないということ?
 子どもの絵は子どもの脳とこころの丸写し、でも絵を見なかったら、なんの問題点も感じさせない子もいる。ところが、絵を見ると、どきっ!!
0歳から入園した子は1歳くらいから絵を描きはじめる。1歳児で多い子は1回のお絵かきで100枚くらい描く。一瞬で描いてしまうので、20枚なんてすぐ描けてしまう。こうして描き続けてきた子は、とにかく何かを表現しないと気が済まない。絵はもちろん、粘土でも工作でも、作文でも、マンガでも音楽でも。とにかく、何かをかいているか、作っているか、その時、その子どもは自分自身の主人公だ。決して受け身にはならず、自分の想いを頭とこころと身体をつかって何かを創っている。こういうふうになると斎藤公子のいうとおり、「絵を描かなくちゃ死んじゃう」状態だ。これこそが生きているということかもしれない。

 子どもの描く絵をみていると、とくに1歳児。何の打算もおもわくもなく、ただ、自分の腕の振り方だけで描いている。こういうふうに描いたらほめてくれるかな?なんて思わない。その線の一筋一筋にその子の脳とこころとからだが丸写しになっている。脳の発達や脳波の状態・骨格・筋力そしてこころの中までも。外見からはとてもわからないようなことまで子どもの絵は物語っている。
3歳を過ぎるころから子どもの絵はだんだん変わってくる。それはその時代を反映している「文化」というものを子ども達は敏感に感じ取ってそれを絵で表現できてしまうから。アンパンマンだってドラえもんだってトーマスだって、文字や数字や英語だって、描けてしまう。ぬりえや絵かき歌だって子どもの自由な想像力を壊してしまう。

 子どもが自由で、自分の人生の主人公であることを自覚できるような生活をしている子どもの絵はいつ見ても楽しい。今、くさぶえで朝と夕方、毎日絵を描いている子が何人もいる。他の子が何を描いているかなんて見向きもしない。自分の描く絵に夢中だ。その集中力はすごい。
 いっちゃんは線路ばかりの絵を描いていても、すごい集中力で描く。紙の隙間がないくらい線路を描く。たいち君はある日、突然、描き始めた。恐竜・馬・車・家。あんなに描かなかった子がどうしてこんなに描くようになったのか、とても不思議。ゆう君の絵はとても素直な絵。どんなものでも可愛らしく素直に表現できてしまう。コウ君は1歳の頃からずっと自分のペースで絵を描き続けている。5歳とは思えない構図。コウ君の目は自分の顔についている目と、遙か彼方から自分を見ているもう一つの目で見て、描いているような絵を描く。他にも自分の世界を自由に表現している子達がたくさんいる。
 絵を描く楽しみを身につけた子は、人生に大きな財産をもっている。絵ほど自由で基準がなくて、平易なものから難易なものまでを幅広く表現できるものはないと思う。

 くさぶえに入園した子ども達にプレゼントできるものがあるとしたら、それは絵を描く時間と紙とペン。卒園していく子には、誰にも奪われない「自由な表現力」を贈ることができたら、最高に嬉しい。

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4月の行事予定

4月 5日(木) 入園・進級式

※運営委員会・父母総会の日程はこれから決めます。掲示板に都合の良い日を記入してください。

園だより(2007年4月号)から

(文:前田)

 新しい年度が始まりました。今年の園だよりの名前は「ゆっくり ゆきちゃん」3月のこんにゃく座の「あおくんときいろちゃん」を観られた方はもうおわかりですね。歌の歌詞や曲は手元にありませんが、こんにゃく座に問い合わせてみるつもりです。

今年度はどんな年になるでしょうか?さっぱり見当がつきません。今年1年を子ども達と大人達で創り上げていきましょう。

入園・進級式の日から、期待と緊張の入り交じった子もいれば、まったく普段と変わらない子もいれば、赤ちゃん返りをしたように思われる子もいます。新入園児でも、全く泣かずニコニコの子もいれば、泣きっぱなしの子もいます。どういう子がいいとか、悪いとかはありません。それぞれの子が育っていく1ページなのです。今日ニコニコでも明日はどうなるかはわかりません。笑っていれば良し、泣くのはダメ。ということは全くありません。お天気といっしょです。晴れもあれば雨もあり、曇りもあれば雪もあり、です。その日のお天気に合わせて服装や持ち物を変えるようにその日その日のその子の状態を受け止め、雨の日は傘をさすように、晴れの日はお花に水をたくさんやるように、いらぬことで悩まず、やるべきことをやっていきましょう。

晴れの日は「いいお天気だね。外でいっぱい遊べるね。」

雨の日は「かたつむりが元気になるよ。さがしてみようか・・・。」

雪の日は雪だるまを作る楽しみを持ち、台風がくればオロオロと心配して、必要なことをしましょう。

[クラスの名前]

  • 0歳児 《ころりん組》
  • 1歳児 《ペンギン組》
  • 2歳児 《富士山組》
  • 3歳児 《きしゃ組》
  • 4歳児 《新幹線組》
  • 5歳児 未定なのでとりあえず「年長組」

2007年度の入園・進級式を行いました。

入園・進級式の様子
新しい友だちを迎え、新しい組になって、新しい年がはじまりました。
ふだん保育園に来る機会の少ないお父さんや、おじいちゃん・おばあちゃんにも雰囲気が伝わるように、なるべく新鮮な情報を載せていきたいので、写真やらレポートやら色々とお願いすることがあると思いますが、ぜひご協力下さい。

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