新幹線組家庭訪問と汽車組懇談会(そして お父さん飲み会)【園だより(2007/07)から】

(文:篠原 義朋)
 6月は、保護者の方々との交流が盛りだくさんでした。
 時系列は無視して、まずは家庭訪問から。私事ですが、家庭訪問は人生で初めてでした。それゆえ、行く前は「何をどう見ればいいのだろう」と不安でした。しかしいざ行ってみれば、驚きの連続でした。どこのお宅も同じ家はないのは、当たり前です。でも、それどころか、「似た家」すらない。

・なにも置いていない、といえるくらいすっきり整理された家。
・子どもが自分のおもちゃ部屋を持っている家
・机にキャラクターのシールがたくさん貼られ、TVも子どもの生活空間内にあり、おのずとつけてしまい、少なからず見ているという家
・庭で色々な植物を育て、そこでうさぎと遊んだり、ボール遊びができる家
・昔ながらの日本的平屋で、砂壁には子どもの絵が貼ってある家

 どこの家も、驚きでした。どの子についても、「こういう家に住んでいたのか!!」と思いました。よく考えてみれば、私は、「小さい子どものいる家」というのをほとんど知りません。自分の幼いときを思い返すか、数少ない、現在子どもを持つ友人宅を参考にするかしかないのです。ですから、すべてが新鮮でした。子どもの最大の基盤になる場所は、やはり家だと思います。それを明確に見ることができたので、今後子どもの気持ちの動きを見る上で、大きく参考にしたいと思います。そしてどのお宅も、その大切な場である家を、子どもの安らぎ、楽しさを考えて空間作りをしておられることに嬉しく思いました。保護者の方々の子どもへの愛情を改めて感じました。
 懇談会も同様です。六家庭で二時間というとても短い時間でしたが、皆さんが、保育園に何を期待・希望し、何を不安に思っていられるのか。子育てにおいて何を当面の課題とされているか。とても重要なそのことを、情けなくも、初めて知りました。それ以来、私の子どもを見る目が、未熟なりに変わりました。無理なく、成長させてあげたい。その為に、今、何を見るべきか。保護者の方々や先輩達の見解を鵜呑みにするのではなく、自分なりの目も培っていきたいですが、当面の取っ掛かりがようやくできたように思っています。今後も、また機会があればお話する時間を持ちたいです。
 また、開催趣旨は異なりますが、お父さん飲み会も非常に保育への助けになりました。今月あったこの三つどれもに言えることですが、私にとっての一番の収穫は、保護者の方々への誤った認識が取れたことです。くさぶえというかなり特徴ある園にお子さんを預けておられることから、保護者の方々もみな、とてもストイックに、斎藤公子理論に忠実にのっとって子育てをされていると思っていました。でも、そうではない。もちろん、賛同して取り入れておられることもある。でも、まだ知らないこともあれば、取り入れるのが不安なこともある。言ってしまえば、(現時点では)納得ができないこともある。お父さん飲み会はとても楽しくもありました(実に、岐阜に来て最も楽しい時間・・・五時間半でした 笑)が、今回挙げた三つの中で、ダントツに、お父さんたちの葛藤、悩み、不安に壁なく触れることができた日でもありました。

 みなさん、子育てに、園での保育に、喜んで下さっていることもあれば、不安もある。不満もある。当たり前のことです。そして、そのどれもの後ろに、お子さんへの深い愛情を感じました。改めて、保育士というのは重要な仕事だと思いました。心地よい重みとして、皆さんの期待、悩みを肩に感じながら、未熟者ではありますが、今後保育していきたいと思います。
 各々の、企画、ご参加、ご協力、ありがとうございました。

 
何だか60過ぎの定年退職されたどこかの校長先生の訓話のようです・・・ね。(前田)

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