給食室から【園だより(2007/08)から】
(文:土田華世)
7月から給食当番を職員で順番に行うことになった。料理を作ることは嫌いじゃない。時間の余裕と気持ちの余裕さえあれば、私もルンルン気分で食事の準備をするのだけど、なにしろ相手は口の肥えた職員と子ども達・・・。気の弱い?(プライドの高い?)私はドキドキして頭の中で給食を作るシュミレーションばかりしていた。
こんな私なのに作るメニューは餃子に決定。どうせやるなら、おもしろいものがいいなと単純に思ったから。でも皮まで手作りにすることになり、水の分量は間違えるし、具を包んでおいておいた餃子を焼こうと思ったら、皮がお皿にくっついてやぶけて、中身は飛び出るし、焼き方も一つ一つ焼くなんて知らなくて全部くっつけて焼いたら、ぐちゃぐちゃになるし、とにかく最初の給食作りは失敗だらけでした。それでも、若森さんと前田の助けがあり出来上がった餃子の味はなかなかのものでした。
この日一番嬉しかったのは、子ども達が何度も給食室を覗いて「今日はぎょうざ?」と聞きにきてくれたこと。とくにけんちゃんは何回も覗きに来ては、ぎょうざがどれくらいできたのかを確認していきました。
2回目もリベンジを兼ねて餃子にチャレンジ!また若森さんに手伝ってもらいました。でも今回は具をねかせる時間が前回より少なかったこと、味付けが薄かったことと焼き方が悪くて焦げてしまったことでいまいちの出来でした。それに、子ども達も全然来てくれなくてさみしかった。でもこのときに餃子の焼き方をだいぶ覚えたので、家で餃子を焼いてみたら(餃子は生協の王将餃子ですが)今までの王将餃子とは別物ができあがった。純平が「うまい!うまい!」と何度もいいながら食べてくれた。30個もあった餃子を、ほとんど子ども達3人で完食してしまった。私も餃子を作って良かったと本当に思えました。今度は家で手作り餃子に挑戦したいです。
3回目は肉じゃがとひやむぎ。肉じゃがはにんじんを大量に入れたので、じゃがいもよりにんじんの方が多くなったけど、ペンギン組とひろしが取り合いをするくらいにんじんをたくさん食べたのでこれにはおどろきました。
他の職員もそれぞれに色々な給食を作っています。珠さんは作ってみたかったという、マーボー丼に挑戦したし、しのっちはペペロンチーノや塩やきそばを作ってくれました。吉岡は大量のコロッケをあっという間に作ったのでびっくりしました。
そんなふうでペンギン組もよく食べます。おいしそうなものが目に付くと「まんま!まんま!」と指をさしてうるさい。おとなしく食べていた野菜なんかはポイ!「早く、つぎくれ~!」と催促し、本当においしそうに食べてくれます。
しゅうへいはいつのまにかトマトが食べれるようになっていたし、まじめに食べていたたかちゃんも「ここはたべれん」と教えてくれるようになりました。けいちゃんとひろしの食べっぷりもすごくて、けいちゃんは気に入ったものがあればそれ以外は絶対に口に入れようとはしません。
私が給食当番の日にお弁当だと正直ホッとしますが、料理に対する意識が変わ
ったというか、興味を持つようになりました。ただ作るのではなくて、どうすれば美味しく作れるのかなと真剣に思うようになったし、料理が下手な私でも美味しく作れるようになるのではないかと思えるようになりました。
それから、なぜ吉岡があんなに早くコロッケを作れたのかとっても不思議でなりません。ペンギン組が11時過ぎに食べれるか給食室をのぞいたら、綺麗にコロッケが並べられているし、洗い物もすべて終わっていて給食室で奮闘した形跡が全くなかったでの、本当におどろきました。もちろん吉岡一人で作ったのではなく、お母さん(若森さん)も手伝ってくれていたのですが。
他の人がどういうふうに料理を作っているのか、覗いてみるのも面白いだろうとおもいます。