(文:篠原)
5月は、イベントが盛りだくさんでした。まずは、モンキーパーク。
新幹線組にとっては、巨大なヒヒとの壁越しのつなひき、ウポッウポッ、ウポッウポッ...と鳴き続ける猿など、興味を引いた変わり種がいっぱいいました。が、帰ったあと子ども達の心に残ったのは、頭上高くのレール(ジェットコースターのような)を怖がりもせずすごい速さで走り回る猿、そして猿山などでの猿の集団生活だったようです。何故か高いところに登ってからおしっこをする。奇声をあげながら追い掛けあう。えさをすさまじい勢いで取り合う。...絵本に出てくるのとは全く違う、制御不能の生き物達。ゆういち君は、猿山でこわがって「早く次に行こう!」と言ったりもしました。あとなぜか、椅子に備え付けてあったゴリラの人形のおっぱいをみんな揃って吸ったりと、異様なテンションでした。帰ってからしばらくの間は、くさぶえのうさぎ小屋の壁にぶら下がってウッキーウッキーとみんな言っていました。最近になってようやくあまり見なくなりましたが、なぜか、当日怖がっていたゆういち君だけが今でも時々やっています。
汽車組さんは、新幹線組さんとはまた違うスタンスで、楽しんでいました。入り口を入るとすぐ見える電動の遊具(パトカー型など)にひきつけられ、お金がないと動かせないと分かると大半は興味を切り換えましたが、唯一あっくんは、「猿なんか見たくない。あれで遊びたい」とはっきり口にもし、一瞬どきっとしましたが、一ヶ所目の猿を見てるうち、その初めて見る生き物(海外の猿は、見た目からして野生を感じさせますね)に引き込まれ、「こっち見とるね~!びっくりしたね~!」など言い、そのまま、帰り際にまた通る時まで、遊具のことはすっかり忘れていました。途中、暗くしてあった広い部屋で、他に誰もいなかったのでみんなで何度も走り抜けたりと、汽車組さんもやはり異様なテンションでした。
私の見ていた範囲で判断するなら、この日からりかちゃんの話す声がとても大きくなり、また友達の復唱をするような話し方ではなく、自分の言葉で積極的に話すようになったように思います。やはり遠足というのは、「遊びに行くんだ」という意識があるからか開放的になるようです。
また、新幹線組は、昼食がバーベキューの時、火起こしを2回もしました。いっちゃん、けんちゃん、けいた君は薪組みと、火着け、火を着けてからの木の投入。ゆういち君は伝達・材料運び。ゆうじ君はオールラウンド。と、自然と分担されていました。と書くと、ゆうじ君が消極的なように見えるかもしれませんが、そうではありません。興味が向いていなかったわけではなく、料理がどんどんできてきて、他のみんなが部屋に戻り食べ始めても、火の側に座ってずっと見ていました。「見る」ということはとても重要です。けいた君は、火着けの他にも、食卓の準備など、そうした「仕事」のニュアンスを持つものにはとてもやる気を見せます。「『できるやつ』になりたい」のか?「大人への憧れ」なのか?分かりませんが、私はその張り切り具合に微笑ましく思っています。
汽車組はよく遊ぶ組み合わせができてきました。例えば、ひろし君とあきお君が、けんかしながらもよく遊んでいる。ウサギ小屋でなにやら作っていたり、外でスコップで工事ごっこをしたり。気が合うという感じでしょうか。ゆみちゃんとりかちゃんも、前より仲良くなったようです。りかちゃんが前より積極的になったことで、対等の関係になれたのでは、と私は邪推しています。しょうたくんはもちろん汽車組とも遊ぶし、新幹線組とも自然と遊ぶところをよく見ます。そしていちろう君。やはりまだくさぶえに来て2ヶ月。共に遊んでいる、とまでは言えないかもしれません。ホースを使った水遊びに夢中。しかし、顔を見合わせて笑い合うところが見られるようになってきました。
汽車組も新幹線組も、遊びが明らかに深化しています。同じ泥遊びでも、川遊びでも、違う。ザリガニとめだがもその助けをしてくれました(先日、ついに全てこの世を去りましたが・・・)。水から出せば魚は死ぬということも知らない子もいて、めだかを手の上に出してずっと見ていたり、ザリガニはバケツ内の橋を渡らされ落ちたりと、かなりのスパルタでしたが、子ども達に生き物と触れ合う時間をたっぷり与えてくれたことに勝手ながら感謝しています。
また恥ずかしながら、私のお気楽な性格もみんな分かってきたようです。けんちゃんといっちゃんは、私がやっているのを見てか、なんでもないことを歌にするところもちょこちょこ見るようになってきました。本当に、楽しいこといっぱい。しかし、園での保育には、厳しい面もあります。つまずくことも少なくありませんが、泣きながらしっかり受けとめてくれていると思います。
来月はどんな遊びをし、どんな冗談を言い、どんな顔を見せてくれるのか。楽しみです。