園だより(2007年3月号)から

(文:前田)

 今年の年長児、おさるのジョージ組は男の子4人で、今年の暖冬が幸いしてか、おやつを食べるのも忘れるくらい、ずーっと外遊びをしています。園庭に自分たちの小屋や露天風呂を作ったり、土山に自分たちがスッポリ入るくらいの大穴を掘っては小さい子達に埋められて、怒ったり、見張りをつけたり、あきらめたり・・・。
 今はまたビワの木の根元に何やら秘密基地?のようなものを作っています。どこかに行きたいということもあまりなく、本当に4人で飽きることなく遊んでいます。

 この4人のおさるのジョージ君達の好きなことは、おすもう、ツルピカだんご作り、園庭での川作り、道作り、たき火、飯ごうやお釜でご飯を炊いたり天ぷらしたりする時の火の番。ノコギリで竹や木を切ったり。
 でも最近、ケンカもよくします。ケンカの原因はだいたいいつも決まっていて、アキ君が、何も言わずに突然すもうをしてきたり、つかみかかってきたりするのが原因です。
 どうしてアキ君がそういうことをするのか尋ねても、首を横に振って「フーン。」と照れ笑いのような顔をするばかり。まるで2、3歳の子が相手の子に興味を持ち、遊びたいのにどうやって遊べばいいのかわからず、いやがらせをするような雰囲気です。
 ジョージ君たち4人と何度もこういうケンカについて話し合ってきました。好きな子と嫌いな子は誰か、なぜ好きか、なぜ嫌いか、好きな時もあるけど嫌いな時もある。それはどういう時かなど・・・を話し合っていくうちに、なんとなくみんながアキ君のことを許せるような関係になってきていることに気づきました。

 このことはとても大きな発見です。障がいのある子に対してはだれもがやさしくなれるのに、そうでないで困った子には許せない気持ちが強く、保育者の中でもこれは大きな課題でした。
 障がいのある子にはやさしくできるのに、障がいのない子にはきびしくなってしまうのは何故なのだろうか?やさしくすることより、許せるようになること、それは問題を解決しようとすることより、お互いの気持ちを言葉にするような話し合いから始まったのです。ヨウタ君はアキ君とケンカして最後は「アキ君て、なんか小さい子みたいだねえ、、、。ニヤニヤ」
 お互い同士、うまくいかない時でも、自分の気持ちを言葉にして、話し合える関係をつくることがとても大切だということを子ども達が教えてくれたように思いました。

園庭に竃(かまど)を作る。(2007.1.27)

(文:前田)

 土曜保育の子は人数が少ないが今日は8人くらい。
 ゆう君のお父さんが左官屋さんなので、セメントとブロックで2口の竃の基礎を作ってくれた。完成が待ち遠しい。
 竃ができあがったら、お釜でご飯を炊いて、やみ鍋みたいな汁を作って給食にするつもり。毎日ご飯を炊くために火を燃やすことは、きっととても楽しいだろうなあ・・・。
 小さい子を膝に抱っこしながらあったかいね。と言いながら一緒に火を見て、ご飯の炊けるにおいをかいで、おなかすいたね、とか言って。楽しいと思いませんか?
 時々はご飯が焦げて真っ黒になっても、ご飯の焦げるにおいを嗅いだことのある子ってそうそういないよね。キャンプで飯ごうでごはんを炊いたことのある子くらいかなあ・・・?

スケート 恵那クリスタルパークへ(2007.1.26)

(文:前田)

 今日は子ども6人でスケートに行く。
 今年恵那クリスタルパークは3回目。もう子ども達は慣れているので靴のサイズもわかっているし、トイレから戻る途中で迷子にもならない。
 ここのスケート場の靴はすべてヒモ靴。自分でうまく結べるようになっってきたが、まだまだの子もいる。靴のヒモをゆるまないように締めながら、チョウチョ結びってホントにむずかしい。
 それに比べたら滑ることの方が簡単、と子ども達は思っているかもしれない・・・。と思った。

園だより(2007年1月号)から

(文:前田)

年が明けて子ども達がグッと成長したような印象をうけました。
 昔、お正月がくると1歳、年をとるかぞえ年がありましたがなんだか本当に1歳年上のお兄さんお姉さんになったような雰囲気です。ご家庭ではいかがでしょうか。

 12月末に年長・学童で2回スケートにいきました。とても混んでいて今までのスケート場の雰囲気とは違います。
 アキくんは初めてのスケートでしたが、手すり1周するうちに、もうリンクの真ん中まで来られるようになりました。でも、初めの1周の長いこと。他の子たちがそれぞれに心配してアキくんのところにいっては何か声をかけて、また滑っていく、という光景でした。
 みんなそれぞれがアキくんがスケートが初めてだということや、アキくんがどうしているかを自然に気にかけているんだなあ・・・とあらためて感じました。

 何か一つのことに打ち込むことができるのはとても楽しい。「自分のやり方」のようなものが見られて、個性的でそのことがまた、個性を育てていくように思いました。自分のやりたいことと人とのつながり方がスケートはとても個人的な遊び(スポーツ)だけれど、見ているととてもおもしろいと思います。

西穂高登山(2006.9.19)

 山登り・西穂高へ (8月30日・31日)
 引率 男(68歳)、男(33歳)、女(51歳) 計3名
 子ども 学童2名(小1)、5歳児4名、4歳児2名、2歳児1名  計9名(総勢12名)

 小雨の中、この12名の団体の山登りはかなり人目を引き、ロープウェイ鍋平駅の食堂(?)のおばちゃんには「これからホントに登るの?」と何度も聞かれ、「うん、行ってきまーす」という太郎くんの元気な声とは逆にとても心配そうでした。
 「明日のお昼にラーメン食べにくるからね。」と約束をしていざ、出発。
 
 68歳のおじいちゃんは、若い頃(?)焼岳に何度も登っているベテラン。今回の山登りの感想は、「牛にひかれて善光寺」 「子どもにひかれて西穂高」。
 山荘で生ビールを飲んでいるおじいちゃんは、とてもおいしそうでした。
  
 33歳のゆめちゃんのお父さんは、なんと山岳会員だそうで、今回西穂に来るまで知らなかったのです。
 愛娘ゆめちゃん(2歳)と荷物を背負って西穂高に挑戦。おそらく20kg以上でしょう。
 「事前トレーニングをしました。」とのこと。
 
 51歳の私(園長前田)は、西穂高は4回目、忘れられないのは6年前初めて登った時、2人の知的障がいを持つ子を含め7人くらいで登った時のこと、元気な子たちは1時間半くらいで山荘まで到着したのに、私とその2人は日没ギリギリ、5時間かかってやっと、山荘にたどり着いた。そのときの山荘は空いていた。宿泊は他に1グループだけ。
 ところが今回は満室。時季も同じ頃だったのに。西穂山荘は愛されているんだなあ・・・。
 そして、若いお年寄り〔失礼!〕のパワーが山に溢れていました。だって子どもたちの声より、大声で盛り上がっていました。

 保育園児と山に登っていると、「将来はアルピニストですね」と言われたりする。たぶんアルピニストにはならないと思う。
 私は子どもたちに、平和主義者になって欲しいと思っている。平和だからこそ、こんなきれいな山に登れるんだ、ということを子どもたちのからだが憶えていてくれると思う。
 そして、山から帰ってきて、数日後、東京の山元さんから子どもたちの写真が送られてきました。
 ありがとう、とても嬉しかったです。この秋は駒ヶ岳に行きますよ。

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