古宇利島体験記(5)

安原 治子

あの一心が他の年長の子達と一緒に5泊6日の沖縄に行けるのだろうか。
とにかく周りの人や音や出来事にすぐ気をとられ、今自分のやっていることがおろそかになるのである。
それから、体力的にも睡眠不足が続くと体調を崩しやすいので心配だった。
しかし私がいない前半は、色々と問題はあったようだが(どたばた部屋中を走り回る、荷物の用意ができない)、夜泣くこともなく皆と楽しく過ごせたようで安心した。
 沖縄から帰ってきて家族からの「どうだった?」の質問に、「楽しかった」の一言だけでそれ以外何も話さないのだが、日に日に少しずつ長い文を話すようになってきている。
親として、一心が親元を離れて2泊し、5泊6日の日程を他の子と同じようにこなせたことをうれしく思ったとともに、これから集団の中で生活していく上で課題が多いことも改めて感じた。
 今回私自身も後半参加して、元気すぎる子ども達と一緒に過ごし大変だったけれど、とても楽しかったです。
実りの里保育園にも初めて行かせてもらいましたが、やぎがいて、木陰があり、風が気持ちよく、泥水でたっぷり遊べて子どもにとってはとても魅力的な保育園だと思いました。
沖縄といえば、リゾートホテルでのんびりするだけでしたが、農協で地元の食材や野菜を買い込んで料理して食べるとやっぱり安くて美味しい!
古宇利島へ渡る橋からの景色は海がきれいで気持ちよかったし、貸し別荘からの眺めもよかった。
ヤモリのあの奇妙な鳴き声がなつかしいです。
次回はぜひシュノーケリングに挑戦したいです。

古宇利島体験記(6)

「くさぶえ保育園、沖縄へ行く」 に参加して  土田 学

例年、くさぶえ保育園の仲間と行く離島の旅は、我が家の一大イベントとなっている。4年前に長男次男と一緒に奄美大島の離島や無人島へ行ったときから家族みんなの夏の思い出となり、エメラルドグリーンの海や思い切り遊んだ楽しい風景が頭に焼き付いている。子ども達は楽しかった出来事(荒波の中、小型船に乗って風を切り、飛び魚を見たことやみんなで美味しく食べた昼食など)を絵に描き、今もまだ思い出して語るほど強烈な印象を受け、例年旅の度に一段と逞しくなってくるように感じる。

今年も小学4年生と2年生になる長男次男と3歳児の響平、それに私(父)が途中参加した。いつもこの旅行は子ども以上に親の私が、何日も前からあの透き通ったエメラルドグリーンの中に包まれて、色とりどりの魚をシュノーケリングで観ながら、ポッカリと広大な海の上に浮かんでいる様を想像して、楽しみで居ても立っても居られなくなる。家族旅行で十分では?と言われもするが、この旅行の中では子ども達が子ども達の関係の中で育ち、自立し、互いに高め合うし、何よりもその隙に自由になった大人が一人で海を堪能できるという機会も持てる。(響平を見ていてくださった方々本当にありがとうございました。)また、感じた感動を語り合って分かち合えるのもこの旅行の醍醐味である。

今回の貸別荘は沖縄本島から橋をいくつか渡って、屋我地島、古宇利島へと渡り、車がギリギリ登れるかという程の急な坂道を登りきった行き止まりの島の上にあった。ここから見渡せる海の風景は格別で、なおかつ朝の散歩や海まで歩いていった帰りには、この坂道を登りきらなくては帰れないという必然的な環境が子どもの足腰を鍛えるにも絶好である。大人でも一回でヘトヘトに息を切らせているところを、遊びながらカタツムリを嬉しそうに手にいっぱい持って、一日何回か往復する子ども達は実に逞しく、頼もしく思える。
朝と夜は真っ暗な中、長男次男と釣りに出かけ、昼は海でシュノーケリング。今回はオプショナルのシュノーケリングツアーに園長と前田父と共に参加でき、青や黄色の珊瑚やクマノミ、真っ青な熱帯魚など色とりどりの魚達を見ることができた。またエメラルドグリーンのリーフの隙間には海溝のような深い深い場所があり、そこは言葉では言い表せないくらい綺麗なディープブルーで、これに感動して幸せを十分満喫できた思いだった。ツアーの最後では、長男次男とも船から思い思いにジャンプして飛び込む遊びができたこともよかったが、一番はしゃいで飛び込んでいたのは当の私だったような・・・。

3歳児と年長、学童は海にしても遊び方、楽しみ方がそれぞれ違ってくるため、穏やかで波がないところや荒々しい波が押し寄せるところ、ジャンプ台のような岩や堤防があるところ、綺麗な魚が見れるところなど、その子が一番楽しめる場所はそれぞれであるし、海に何回でも行きたい子や美ら海水族館へも行ってみたい子などもそれぞれで、大人がある程度人数居て、車の台数もあり、分かれて行動できたことも今回はよかった。次男の倖平は自分が見つけたイカを、那覇から来ていた釣りのお兄ちゃんに釣ってもらい、イカ釣り用の疑似餌までもらって、それを宝物のように大事にしている。3歳児の響平は沖縄の保育園で泥んこ遊びを満喫して、海遊びにも夢中になり、あの坂道で大腿四頭筋やハムストリングス(太もも裏の筋肉)はまた一段と競輪選手のように鍛えられて帰ってきたような気がする。何よりも私自身が一番子どもになって遊びを満喫させてもらった。
最後に、一緒に行った方々に、本当にありがとうございました。

保育スタッフを募集しています。

【保育スタッフ募集】

  • 人数:2名
  • 年齢・性別:不問
  • 資格の有無:不問 
  • 障がい児保育や自然の中で遊ぶことに興味のある方、さくら・さくらんぼの保育を学びたい方歓迎です。
  • 詳細はくさぶえ保育園見学の際に説明します。
  • 電話:058-371-7656(担当:前田)
  • 子どもの根っこを育てる

    《子どもの根っこを育てる》ことについて
    1. 親を尊敬するこころを育てる。――― いのちを尊び、敬うこころを育てる。
    2. 《基本のリズム》の理解のしかたと実践
    3. 文学に親しみ、乳幼児に適した質の良い文化を選ぶ
    4. 社会をよくしていこうとする運動をする ――― 弱い子小さい子を思いやる

    1.親を尊敬するこころを育てる –― いのちを尊び、敬うこころを育てる。
     生まれてすぐに、赤ちゃんと目を合わせお母さんをしっかり見つめることが、お母さんを尊敬するこころを育てることになる。目が合ってにこっと笑う、笑うまで何時間も続ける。
    (斎藤先生は最高6時間続け、盲といわれた子の目が見えるようになった。)
    (この時の抱っこの仕方に留意:赤ちゃんの股を開いて立て抱きにする。片手は赤ちゃんの首の後ろに、もう片方の手は赤ちゃんのおへその裏にあて、縦に軽くゆさぶりながら目を合わせる。)
     このことは、父母自身が自分の親を尊敬しているかどうか?父母自身が自分の親を尊敬していないのに、自分の子どもが親を尊敬する、というのは???
    (自分の親に感謝はしてるけれど、尊敬までは・・・という人もいれば、自分の親を非難・否定している人もいるだろう。でも親を非難・否定することは自分の存在も非難・否定することにつながるのではないでしょうか・・・?)
    もし園児が、自分の父母を尊敬するこころが育っているなら、当然父母も自分の子どもを大切に育ててきたであろうし、大切にしてきたからこそ子どもに尊敬され、またその祖父母も、子どもからも孫からも、尊敬に値する祖父母なのだと思う。そうなれば、保育者は簡単に父母の悪口を言えないし、父母ももっと保育者の言葉に耳を傾け、早期教育の宣伝に惑わされることもないだろう。
    人間関係は母子関係のあり方が基本で母子の信頼関係がうまくとれないと、子どもは他者を信頼するこころがなかなか育まれないと思っている。だからこそ、母子関係を大切にしたい。
    子育て観が違っても、立場や意見が違う相手にも、他者に対する深い人間信頼のこころがある人とそうでない人は違う。違うからこそ話し合う、分かり合おうとする努力を惜しまない。(ダライ・ラマもそう言っている)

    人権意識や性教育の意義もこの中に含まれる。自分の親を否定しない。親を尊敬することは親の言いなりになることではない。親の言いなりにはならなくても親を思い、大切にすることはできる。お互いを尊重できる関係をつくる。

    2.《基本のリズム》の理解のしかたと実践  
    金魚運動・寝返り運動・両生類ハイハ運動・ロールマッ
    生命の個体発生は系統発生をくりかえす。赤ちゃんも胎児期に魚類 → 両生類 → 爬虫類 → 哺乳類というように進化を繰り返す。そして誕生してからも、脊椎動物の元となる背骨の運動、背骨がいかにしなやかに動かせるかという金魚運動。背骨に柔軟性をもたせて、目を合わせると脳の発達が良くなると共に、育ててくれる人を尊敬するまなざしが生まれる。
    寝返り運動はハイハイ運動への移行の前段階で、体幹のひねりに足の親指の蹴りを組み合わせた運動である。カールセーガン  「エデンの恐竜――知能の源泉をたずねて」より、DVDブック「子どもたちは未来」   
    p96~97参照にしてほしい。      誤字あり 「最特殊化ではなく再特殊化」

    そして爬虫類の前の両生類という生物の進化の節目、水の中で暮らしていた魚が生きていくために、陸に上がりたいと望み、ひれを必死で動かしてそのひれが手と足に進化するという最も大きな、生物の進化の節目の運動。なおかつこの両生類はひれ呼吸から肺呼吸へという呼吸法の変化まで獲得したのだ。この両生類ハイこそ地に身体のすべてをつけ、脱力しながら、両足の蹴りの力だけで進む。手指を脱力しながら開き、足指の蹴りが強くなれば流れるように進み、どんなにやっても疲れない。この地を這う運動は一見地味だけれど、粘り強さを育てる。
    ロールマット運動は6歳になると、自分が思った所に足を着地させる。巧緻運動の制御である。この生物が人間へと進化していく過程を運動として取り入れ、重要視しているのが「基本のリズムあそび」である。
    以上が身体の土台をつくる運動である。

    3. 文学に親しみ、乳幼児に適した質の良い文化を選ぶ
     6歳の保育にとって欠かせないのはお話。6歳、脳の90パーセントが育つ6歳の時に聞いたお話は子ども達は一生忘れない。その時に子ども達にどんなお話を読んであげたいか?
    文学の会を斎藤公子先生を囲んで、ほぼ毎月企画しているのは穂盛さん。なぜ文学か?これは保育者にかかわらず、すべての人に通ずる文学。そこには人間の歴史がすぐれた文学者による言葉で書かれている。ギリシア神話からはじまり、人間とはどういうものか?という深い理解、感性、こころを読み解く、作者の言葉や文章から、人間は育った時代や国、貧富の差や性別など、立場の違いから、こんなにも異なった人生を歩むものだということが、読むことで知ることができる。主人公や脇役であっても、その登場人物の気持ちや情景が美しい言葉で書かれていて、文学がすべての基本。
    赤ちゃんに(胎児にも)適した文化を選ぶとしたら、クラッシク音楽ではなくお母さんの生の声の歌や語りかけ。幼児期には天然・自然の素材のおもちゃ・・・土・水・木からはじまる。できるだけ害のないものを選ぶ。石油製品や機械音を避ける。

    4. 「社会をよくしていこうとする運動」――― 弱い子小さい子を思いやる 
    「公子という名前がついているからかねえ・・・。」とおっしゃいます。「子どもがみんな笑える日まで」(斎藤公子保育実践全集2の題名。)
    子どもが幸せかどうか?を絵を見て考え、お母さんは子どもを愛して育てているつもりなのに、それが溺愛であったり、過保護であったり、口うるさかったり。実は子どもはお母さん嫌い!と思っている、など。
    子どものこころが真の意味で幸せであるかどうか?すべての子どもの幸せを願っていくためには社会をよくしていこう。自分の目の前いる子だけが幸せならいいのではない。  
     学校での「体操すわり」がいかに子どもの姿勢を悪くしているか?だからみんなで運動して体操すわりをやめて正座するように学校や教育委員会や自治体に働きかけよう。
     赤ちゃんの抱っこの仕方、小さい子を抱くときの抱き方、後ろから小脇をかかえない、必ず子どもと目を合わせて抱っこする。などなど。
    子どもを産んだのに子育ての仕方を知らないまま、親になってしまったお父さん、お母さん。社会的に運動して子どもの育ち方を学ぼう。3歳で文字数字を覚えた子が本当に幸せで賢い子どもになるのだろうか?賢い大人に育っていくのだろうか?

    小さい子弱い子にこころを寄せることのできる子に・・・ 障害児保育と縦割り保育
    こころと身体のバランスが崩れると他者に対するやさしさが薄れくる。英才教育を受けていたり、無理なことを強いられたりするとこころがギスギスして弱いものいじめが始まる。

                     *          *         *

    これらのことに気づいたとき、今まで何十回と聞いてきた斎藤先生の話(斎藤先生が自分の両親をどんなに尊敬しているか?お母さんにどんなふうに育てられたか?また保育者になってから、戦災孤児を預かった時の話など、子どもへの斎藤先生の思い)の内容がはじめて、わかったように思いました。

    《子どもの根っこを育てる》とはどういうことか?何を育てることなんだろうか?
    親というものは、子どもの先を案じていつも不安です。この不安感が早期教育、文字学習や英才教育に走る理由です。でもこれらの早期教育では育たない、《子どもの根っこ》を育てることが乳幼児期の第一の課題です。それこそが《人間》を育てることにつながるからです。根がしっかり育ってさえいれば、どんな幹に育つのか、どんな葉が茂るか、どんな花が咲くのか、どんな実をつけるのかを、楽しみに待っていればいいのです。

    くさぶえ保育園 園内学習会

    今年は「性教育」をテーマにかかげ勉強会を進めることにしました。
    「性教育」と聞くと、親として子どもたちにどのように性のことを話せばいいのだろうと考えがちです。しかし、親として「性」というものを子どもに伝えていくという立場に立ったとき、まずは親が自分たちの性について向き合い、学びあうことが大切なのではないかと考えました。そこで、一橋大学・津田塾大学講師、「人間と性」教育研究協議会代表幹事である村瀬幸浩先生を迎えて勉強会を開催しました。

    <第1回勉強会>お父さんのための勉強会 (男性のみ参加) 
    6月27日(金) 20時~22時 くさぶえ保育園にて
       19名のお父さんたちが仕事帰りにかけつけてきてくれました。
        「人生を楽しく生きるために」~人間関係は作るもの、育てるもの~と題して村瀬先生から話をしていただきました。
         その後、居酒屋に会場を移し「おやじ飲み会」が深夜まで開催されました。
     *勉強会後アンケート結果 
       大変よかった15%  よかった76%   もう十分だ8%

    お母さんのための勉強会(女性のみ参加)
    6月28日(土) 9時~12時 くさぶえ保育園にて
       25名のお母さんたちが集まりました。
    「人生を楽しく生きるために」~人間関係は作るもの、育てるもの~と題して
    村瀬先生から話をしていただきました。
    その後、保育園で昼食を食べながら性について、人生についての話が繰り広げられました。
    *勉強会後アンケート結果 
       大変よかった84%  よかった8%   もう十分だ8%

    <第2回勉強会> 村瀬先生と大いに語ろう会(男女参加)
    8月3日(日) 17時から19時 那加西福祉センターにて
       8名のお父さん、19名のお母さんたちが集まりました。
       素敵にパートナーシップ~「2人でいて楽しい」夫婦生活~と題して村瀬先生からお話をいただきました。
    その後、5,6人の小グループにわかれ、村瀬先生への質問、自分たちの夫婦関係、性について話し合いとても盛り上がりました。
    *勉強会後アンケート結果 
       父:大変よかった100%  よかった0%   もう十分だ0%
    母:大変よかった71%  よかった29%   もう十分だ0%
    参加者の声
    ・グループトークがあり、とてもおもしろかった。
    ・先生の講演の後、自分たちの言葉で語ることで余計に実感できた。
    ・夫婦関係を見直すきっかけになった。
    ・グループトークで他のお父さんの話もちらっと聞けたりしてそういう交流があったこともよかった。
    ・くさぶえ保育園の保護者同士は普段から交流がある。だからこそ、グループトークで性についてもこれだけ気持ちをオープンにして語り合えるんだなと思った。
    ・始めの20分くらいが分りにくかった。
    ・思いや考え方ですれ違うことが増えていた私達夫婦にとって、今回の勉強会はお互いのことを考えるよいきっかけとなりました。なかなかすぐには変われないけれど、たくさん話をしてお互いのことを思いやれる関係を築いていけたらなあと思います。

    <自主おしゃべり会> みんなで大いに語ろう会(自主的参加の会です)
    9月6日(土) 21時から25時まで 学童部屋
    1名のお父さん、4名のお母さんたちが集まりました。
    第2回の勉強会での小クループの話し合いが大変盛り上がりをうけて「もっと語り合いたい」という意見が出され、行われることになった会です。
    普段はゆっくりと話せない人とも話すことができ、大変楽しかったと聞きました。
    今後も継続していきたいと考えています。

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